介護業界で働く前に読むブログ

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「教えるのが苦手」を克服する方法、教えます

教師と生徒

こんにちは、介護福祉士のまちかです。

春になり、皆さんの職場にも新しいスタッフが入られたのではないでしょうか。

私のところでも毎年この時期になると、新卒者が本社研修を終え、各事業所へ配属されます。社会人になっての最初の第一歩を、介護業界にするだなんて本当に頭が下がる想いです。

 

この業界は人手不足もあってか、そこそこ経験を積むと、すぐに教育係をやらされることも多いです。自分でケアするのとは違い、人に教えるのってなかなか大変なものです。

私も年上の未経験者が入社してきた時などは、特に戸惑いました。

今回は「教え方のコツ」紹介いたします。是非、苦手な方は参考にしてみてくださいね。

コツ1、まずは信頼関係を作ることから

コーチングの教科書では、すべては信頼関係の上に成り立つと書いてあります。

「仕事なんて見て盗むもんだ!」と威圧的な親方と、「同じ事、遠慮せず何度も聞いてくださいね」と物腰の柔らかい先生。あなたならどちらに付きたいですか?

生徒から見た場合、気軽に話しかけられない関係って相当のストレスです。介護自体がストレスなのに、教える、教わるの関係だけで疲れてしまっては話になりません。

ぶっちゃけ、介護の仕事は後でも教えられます。ですが関係性の構築は最初が肝心です。

 

別にこの業界に限らずですが、人間関係が嫌で仕事を辞める人は非常に多いです。まずは雑談などをして、場を和ませることに専念してください。親近感を持ってもらったほうが、ゆくゆくはやりやすくなります。

  • どこから通ってるんですか
  • 最初はドキドキしますよね
  • 大丈夫ですか、疲れたんじゃないですか
  • 自分が新人だった頃はこんな感じでしたよ

挨拶だってこちらかしましょう。

なぜそうまでして、新人に気を遣わなければならないか?

新人が正しく成長してくれれば、後は黙ってても、師匠のために仕事を手伝ってくれます。学びやすい環境を提供するのも、教える側の役目です。

貴重な芽を摘むような行為、もしくは職場環境になっていませんか。

コツ2、徹底して相手の立ち場で教える

一口に新人といっても、彼ら彼女らの人間的な背景は様々です。

先月まで学生だった新卒から、経験豊富な派遣さんまで、それこそ、場合によっては自分より業界歴が長い人に対してまで教えなくちゃならないときだってあります。

そんな相手をひとくくりにせず、それぞれの経験値に合わせた教え方をしていきたいものです。

 

以前に介護をやったことがあるのか、日常的に高齢者と関わりはあるのか、何でもいいので相手がどんな人間なのか、まずはコミュニケーションを取っていくのが第一歩です。

ポイントは、何が分かっていて、何が分かっていないかをしっかり把握することです。一方的にこちらだけが話さず、相手の理解を待ってすべては進みます。

入居者や利用者の顔を名前を覚えていない段階で、介護技術まで詰め込んでしまってもいいのか、教わる側の気持ちにもなってみてください。

それは大切な業務ではあるけれども、相手の目線に立った場合、まだ教えるのは早くありませんか?

コツ3、感覚的ではなく具体的に教える

スポーツなどでよく見られる現象ですが、プレイヤーとして優秀な人ほど、コーチとしては向いてなかったりします。

「ビューンときたボールを、バシッと打ち返すんだよ」

天才ならピンと来るんでしょうけど、凡人には何を言っているのかさっぱりです。笑

 

介護に置き換えてみます。

例えば全介助が必要な利用者の移乗、トランスなどを想像してみてください。

「今からやるから見て覚えて」と利用者の身体を抱え、グイッと勢いをつけて、車イスのほうへ移動したとします。

「はい、じゃあ同じようにやってみて」では、大抵の場合、同じようにできません。

もっと具体的に指示してください。

「この方、麻痺はあるけど、ちゃんと足を着けば踏ん張れるから。そこを軸にして、車イスのほうへ身体を回してねー。抱えるときは、真上に持ち上げると言うよりも、手前に引くようなイメージで力をかけるとバランスが取れるから」など。

横や後ろから見て、どこに手足を持っていけばスムーズに行えるか、その場で質疑応答を混ぜながら、身体の使い方、力の入れ方を教えていきます。

 

教えるのが苦手、嫌いといった人は、日々のケアを感覚的にやってる傾向があります。主な原因は、自らの行動を言語化して説明できないところにあります。すべてを言葉にできないなら、大事なポイントを伝えるだけでも、教わる側としては助かります。

あとはその際に注意してもらいたいのが、あまり専門用語を多様しないことです。

すでに介護経験がある人なら大丈夫でしょうが、普通、"更衣"や"移乗"って言葉、日常会話じゃ使わないですよね。覚えることをシンプルにするため、始めは控えたほうが無難です。

コツ4、ミスをしても絶対に怒らない

新人なのだからミスをしても当たり前です。なぜそれがマズいのかを説明すれば充分です。

怒るとあの人に怒られたから、やろう、やめようになります。

じゃあ、あの人がいない日はやってもいいのか?

そういう訳じゃないですよね。説明し、理解してもらい、納得したうえで日々の業務を行ってもらうのが理想的です。

 

また、明らかなミスとまではいかなくても、新人が行った行為は、ついつい気になるものです。あなたが経験豊富なら、なおさら至らない点が目に付いてしまいます。

その際は、ただちに事故やクレームに繋がらないような些細なものなら、本人が自分で気づくまで放置するのも手です。好意的に育ててく過程で、それとなく気づかせてあげるのも教育です。

この「気づき」、介護士にとって成長するうえで欠かせない要素でしょ。

後々、高齢者に対するケアでも必要になっていくスキルなのですから伸ばすいい機会です。

そして、一人立ちしたからといっても放置せず、仲間なのですから継続的にその後も見守っていきましょう。

おわりに

私の職場では、新人には専用のファイルを渡します。

中には時間割りのようなものが入っており、業務終了の少し前ぐらいには上がってもらい、今日の出来事を軽く書いてもらいます。

毎日1ページづつ、その日、誰と何をやったのかを記入欄に沿って埋めていきます。さらに下のほうには、担当者と新人が1~2行のコメントが書けるスペースがあり、本人の振り返りを書くことができます。

毎回、同じ教育係が付くことができれば新人の成長を把握しやすいですが、シフトの関係でそうも言ってられないのが現状です。このノートを使って、ちょっとした交換日記をしてもらい、教える側、教えられる側の情報交換を行うのです。

 

親が子育てをする過程で、逆に親も育てられます。

忍耐強くなったり、自分がちゃんとしなくちゃと向上心が持てたり、それこそ我が子の未来を想像して社会問題に関心が出てきたりと、人は人を育てていく過程で自身もまた成長していきます。

教育係を任せられるということは、厄介ごとを押し付けられたのではなく、成長する段階にきたんだと考えるのが正解です。

効率よく、次から次へと新人が一人立ちしていってくれれば、巡り巡ってあなたの仕事も減ります。

 

常に人手不足の介護業界、一人でも多くの経験者が育つことを願います。